手数の多い手の込んだカスタムを施しながらも、落ち着いたイメージを崩さないノート。千葉県のくるまや工房がインストールしたこのクルマには、見せるオーディオと高音質を引き出すワザが満載されている。まずはラゲッジまわりのカスタムから見ていこう。
ラゲッジの各ウォールに
パワーアンプをバランス良く配置
オーナーのプロショップが作るカーオーディオ初体験は、ロックフォードがインストールされたくるまや工房のデモカーだった。その音を聴いてパワー&キレそして何よりもリアルでクリアなサウンドにすっかり魅了され、オーディオの世界にどっぷり浸ることになったという。このノートはそんなオーナーの思いを込めた現在進行形のオーディオマシンなのだ。
カスタムインストレーションの見どころはラゲッジ。3方向のウォールにはロックフォードのパワーシリーズのアンプ群(T1500-1dbCP、T400-4、T600-4)をインストール。ラゲッジスペースを取り囲むようなレイアウトですべてのユニットを隠すことなくショーアップするデザインとしているのもアピール度満点だ。
ブラック×ピンクをインテリアのイメージカラーと決めたオーナー、ラゲッジにもブラックレザーに対してピンク系のLEDを加えることでインパクトと落ち着いたムードを両立させている。派手になりすぎず、大人の雰囲気でフィニッシュするのも狙い通りだという。
アルミとアクリルを積層で使う
アンプ取り付け面のデザインに注目
デザイン上の注目ポイントはパワーアンプの取り付け面だ。アンプの背面にアルミ素材を用い、その裏面にアクリルを積層するという手の込んだ処理を実施。アルミの質感とアクリルを通して放たれるLEDからの間接光とが相まったメタル感+イルミ効果を強調するデザインとした。オーナー最大のお気に入りのポイントもである。
すべてのウォールを使ってパワーアンプをディスプレイする立体的なデザインに加えて、アルミ素材にLEDのピンクイルミが反射するスタイルは、ラゲッジの奥行きを感じさせる効果を引き出した。
サブウーファーにはロックフォードのT1D412をチョイス。ユニットはラゲッジのフロア面にセットしパネルを人工スエードで処理する。一段落とし込んだバッフル面は周囲にアクリルを配して間接照明でサブウーファーをショーアップする。ピンクイルミの統一感に加えて、人工スエードという異素材を組み合わせることで単調になりがちなラゲッジフロアに変化を与えているのも見どころだ。
細部のデザインにも手抜き無し
ラック上部にもハニカム処理を施す
ラゲッジの細部にも数々のデザイン処理が加えられる。アンプラックの上部にはハニカム構造のメッシュパネルを設置。ユニットをインストールしていない部分でも平面パネルを残すことなく、すみずみにまでデザイン処理を加えてラゲッジの統一感を引き出す。
またパワーアンプのケーブル類の処理もスマート。すべてのケーブルはアンプラックの下部で一本ずつパネル内に引き込まれ、美しく処理されているのがわかる。見せる部分をめいっぱい強調し、隠すべき部分は隠すというメリハリの利いたデザインが展開される。
このようにブラックとピンクを使って落ち着いたムードを作り出したラゲッジはショーアップ効果も満点、そんなデザイン処理がキャビン側にも展開される上、ハイエンドスピーカーを使った高音質設計も施されているのが見どころ。後編ではそんな高品質なコクピット周辺をたっぷり紹介していくのでこうご期待。
《text:土田康弘》