トヨタ自動車は12月9日、主力ハイブリッド車(HV)の『プリウス』を6年7か月ぶりに全面改良して発売した。燃費は、最も良いグレードで40.8km/リットル(JC08モード)と、ガソリンエンジン搭載車では世界最高を確保した。
国内では月間1万2000台の販売目標を掲げている。新型は環境性能を一段と高めただけでなく、新しい開発手法である「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の初適用で、走りや静粛性といった基本性能も大きく改良している。
TNGA展開の指揮を執ってきた加藤光久副社長は「これまでは個別最適でもっといいクルマづくりを進めてきたが、ボディーサイズやパワートレインが増え、難しくなってきた」と指摘。TNGAでは「全体最適を考えていくが、狙いは部品の共通化などではなく、あくまでも、もっといいクルマづくりだ」と、強調した。
そのうえで新型プリウスは「ゆっくりだが大きくカジを切って動き始めた先駆けのクルマ」とし、「10年、20年後に、もっといいクルマづくりの原点だったねと言われるよう、これからも取り組んでいく」と語った。
《text:池原照雄》