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【トヨタ クラウン アスリートS-T 試乗】クラウン にも押し寄せたダウンサイジングの波…諸星陽一

自動車試乗記

トヨタ クラウン アスリートS-T全 7 枚写真をすべて見る

世界的な潮流でもあるダウンサイジングターボエンジンが『クラウン』にも搭載された。

クラウンアスリートに採用されたダウンサイジングターボは、直噴+吸排気可変バルブタイミング機構を持つ2リットル直列4気筒エンジンにツインスクロールターボを組み合わせたもの。2.5リットルや3.5リットルに比べれば低速トルクは低めだが、エンジン回転に応じてトルクが上がってくる感覚はかえって新鮮。

今どきのエンジンは低回転からしっかりトルクがあって、それがフラットに維持されるタイプが多いが、しっかり回転とトルクが比例するフィーリングは、人間の感性とマッチしていてエンジンの存在を感じられる。クラウンにエンジンの存在を感じても…という人もいるだろうが、クラウンでエンジンの存在を感じ、そして走りを楽しみたい人だってたくさんいるはず。そうしたクラウンを求める人にはピッタリのフィーリングといっていい。

じつはこの2リットルターボが設定されるのはアスリートのみでロイヤルには設定されない。つまり走りを重視したエンジンという考え方も成り立つ。215/55R17サイズのタイヤに代表されるようにロイヤルに比べて引き締まった足まわりが与えられたアスリートとこのエンジンとの相性はいい。クラウンは年配者が乗るクルマだ。かつての年配者は長い間柔らかい足のクルマに乗ってきたが、今の年配者はヨーロッパ的な味付けのクルマに乗ってきた人も多い。そうした人達にアピールできるのがアスリート。そのなかでもとくに走りを感じられるのがこの2リットルターボだと感じた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《text:諸星陽一》

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