幕張メッセで11月20日まで開催された2015年国際放送機器展「Inter BEE」では、「免許必要なし」「僻地・災害現場からの映像伝送・電話・インターネット接続」「アイドリング発電機」などを売り文句とした衛星中継車などの展示が見られた(写真24枚)。
エーティコミュニケーションズは、日産『エルグランド』をベースとする新コンセプト衛星通信車を展示。操作の免許を必要としないVSAT(Very Small Aperture Terminal)衛星通信システムを搭載し、僻地や災害現場からの映像伝送・電話・インターネット接続を可能にした。
地方自治体やインフラ整備事業などにかかわる企業などに向けた設計で、クルマのエンジンのアイドリング回転で発電する機能も備え、冷暖房装置をフルに作動させても長時間運用できるという。
また、コスミックエンジニアリングは、大容量発電システムを標準装備した放送事業用多用途車両システム「オートキャリー」を展示。4ナンバーまたは5ナンバーのサイズで、最大6台のカメラを搭載でき、定員乗車(5~6人)の移動と4~5人の中継オペレートを可能とさせた。車検、定期点検、保険などが一般の車両と同じ扱いという点もアピールしていた。
いっぽう、三友は大阪芸術大学の学生向け教材として制作した新型ハイビジョン中継車を展示。日野『デュトロ』などをベースに、じゅうぶんな放送用機材を搭載しつつ授業スペースを確保するという課題に取り組み、クラス最大級の制作スペースを維持したという。この新型中継車は、同大学グループが発信するアート情報番組などで活躍するという。
《text:大野雅人》