欧州で衝突テストを行うユーロNCAPコンソーシアムは11月4日、新型アウディ『A4』の衝突安全テストの結果を発表し、最高評価の5つ星と認定している。
ユーロNCAPの衝突テストは、前面オフセット64km/h、側面50km/h、ポール衝突29km/h、歩行者衝突40km/hで実施される。日本や米国の基準とほぼ同じ、世界で最も厳しい条件の衝突テストとして知られる。
2009年2月、ユーロNCAPは新評価システムを導入。評価の4項目に応じて、ポイントが配分されるようになった。最新の2015年の制度では、最重要視される「成人乗員保護性能」に、ポイントの40％を配分。「子ども乗員保護性能」と「歩行者保護性能」、エアバッグやABS、ESCなどの「安全補助装置」の3項目には、各20％を配分する。
さらに、ユーロNCAP は2015年から、前面フルラップ衝突テストを導入。背の低い女性ドライバーと、後席に乗員を乗せた状態を想定し、テストを行う。緊急回避の自動ブレーキをはじめ、先進の安全装備も、評価基準となった。
最高の5つ星を得るためには、「成人乗員保護性能」で80％以上、「子ども乗員保護性能」で75％以上、「歩行者保護性能」で65％以上、「安全補助装置」で70％以上のポイントを獲得するのが条件。4項目のひとつでも、基準のポイントを下回り、4つ星以下となった場合、総合評価で5つ星と認定されない。また、総合評価で5つ星を得るには、75％以上のポイントも必要。
新型アウディA4のテスト結果は、成人乗員保護性能が34.5点（90％）で、5つ星の条件に適合。子ども乗員保護性能は43点（87％）で、5つ星の条件に合う。歩行者保護性能は27.4点（75％）で、5つ星条件を満たす。安全補助装置は9.9点（75％）と、5つ星に必要な70％を上回った。
この結果、ユーロNCAPは、新型アウディA4の総合評価を、最高の5つ星と認定。アウディは、「新型A4が競合車の中で、最も安全な車の1台」とコメントしている。
《text：森脇稔》