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【プロショップ訪問記】エモーション(福岡県): 研究と検証に裏付けされた確かな理論で、ユーザーの願望を完全フォロー!

カーオーディオショップ訪問記

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九州自動車道・福岡インターチェンジからクルマで約10分。インターと福岡空港のちょうど中間地点あたりに「エモーション」はある(福岡県糟屋郡粕屋町原町1-8-10)。

オープンは1993年5月という、老舗カーオーディオプロショップだ。



エモーション・橋本さん / エモーション


代表を務めるのは橋本さん。橋本さんはそもそも音楽好きでオーディオ好き、そしてクルマ好きでもある。それらがすべて繋がって「エモーション」は誕生している。

若き日にはプロミュージシャンを目指しバンド活動にいそしみ(担当楽器はベース)、レコーディングエンジニアになるべく、レコーディングスタジオで働いた時期もある。オーディオに興味を持ち始めたのは中学生くらいの頃からで、高校生になると、スピーカーやアンプの自作を始めた。クルマを持つようになってからは、愛車に自らシステムを組んだ。その一方で、クルマ好きが高じてラリーにも出場していたという。

ちなみに、お店がスタートした当時は、第2期カーオーディオブームの時代。アメリカンブランドが一気に日本上陸を果たし、カーオーディオコンペティションの『IASCA』(アイアスカ)もスタート。橋本さんも同コンテストに積極参加し、同志たちと切磋琢磨して腕を磨いていった。

サウンドコンペといえば、『パイオニアカーサウンドコンテスト』での活躍も華々しい。2000年代に入ると同コンテストでも入賞を重ね、「エモーション」の名前は、押しも押されもせぬ名店として全国に響き渡った。

このようなエピソードからお伝えしてしまうと、「エモーション」のことを、“ハイエンド専門店”と思ってしまう人もいるかもしれないが、実はむしろ逆だ。ライトなメニュー、手頃なセットプランが実に豊富に用意されていて、初めての人でも気軽になんでも相談できる、敷居の低さを特長としたお店なのである。

そしてそれらのライトなプランにも、「エモーション」ならではの細かな工夫や技術が存分に注入されている。



ところで「エモーション」ならではの細かな工夫や技術は、お店のモットーがあってこそ、生み出されている。「エモーション」のモットーとは至ってシンプル。「良い音を出して、お客様に喜んでいただくこと」である。

そのためには、たゆまぬ研究心が必要だと橋本さんは話す。「お客様に喜んでいただく」べく、「限られた予算の中でいかに良い音を出せるか」にこだわり、新しい方法や理論を研究・検証し続けてきた。ここに「エモーション」の真骨頂がある。そして得られた成果をメニューに盛り込んでいくのである。

例えば、“ナビをバイワイヤリング接続で鳴らす”という方法がある。これは、簡易的な2chのタイムアライメントしか搭載していないヘッドユニットに対し、バイワイヤリングに対応するパッシブクロスオーバーネットワークを用いてリア出力をフロントに使い、フロント2ウェイをマルチアンプシステム的にコントロールする、という鳴らし方だ。橋本さんはいち早くこれに取り組んだ(1995年頃より)。バイワイヤリング対応パッシブが用意されていないカスタムフィットスピーカーなどに対して、パッシブを自作してこの方法で鳴らし、そのシステムをHi-Fiの入門的なセットとしてメニューに加えた。



一般的な接続 / バイワイヤリング接続


さて次には、橋本さんが考える、接客におけるポリシーをご紹介しよう。ポイントは5つある。1・「お客様が何を望んでいるかが最優先であり、お店のおすすめがすべてではない」、2・「お客様のコンセプトが明確でない場合は、どうしたら希望がかなうのかを一緒に考える」、3・「お客様のご希望を無視した押しつけは絶対にやらない」、4・「オーディオや音楽を詳しく知らない方であっても区別するようなことは絶対にない」、5・「お客様が今お持ちのオーディオ機器が十分に使えるのなら、つまり今のコンセプトに合う機材を既にお持ちであれば、それも積極的に使うようにおすすめする」、以上だ。

豊富な経験と、研究と検証に裏付けされた確かな理論で、ユーザーの“良い音を聴きたい”という願望を完全フォローしてくれる「エモーション」。ちなみに、「キレイ仕上げる」ことにも強いこだわりを持っているので、カッコよく仕上げたい人も「エモーション」に注目していただきたい。

これからカーオーディオを始めてみたい人は特に、そして今よりもっと音を良くしたいと思っているベテランの方々も、“バリューが高く敷居の低いお店”を探しているならば、「エモーション」まで、ぜひ。

《text:太田祥三》

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