遂に本格始動を果たした注目の新ブランド、“MONSTER CAR AUDIO”。その設立背景やコンセプト、そしてニューアイテムの実力までを探っていこうとしている当企画。2週目となる今回は、「“MONSTER CAR AUDIO”は何を目指しているのか」について深く掘り下げて行く。
先週は、この新ブランドが設立された背景を解説させていただいた。今週は、“何を目指しているのか”についてリポートしていく。今回も、“イース・コーポレーション”のMonster Car Audio 国内事業部・関口周二氏に、じっくりとお話をうかがった。
今週は、ズバリと結論から入ってみたい。“MONSTER CAR AUDIO”は何を目指しているのか。
まずは、『エントリーグレードからミドルグレードまでの製品の充実』。ここから取り組んで行く、とのことだ。
昨今、ハイエンドケーブルが話題になることが多い。イース・コーポレーションをもってしても、ロシアのハイエンドケーブルブランド“チェルノフケーブル”を擁している。このブランドがどれほどまでにハイエンドなのかを、簡単にご紹介しておこう。
RCAケーブルでみていく。最高峰の『リファレンスシリーズ』では5mがなんと69万3000円(2ch分/税抜価格 以下同様)。まあ、これはスーパーハイエンドカテゴリーに属する逸品なので参考外だが(その音は正真正銘、超絶に高音質!)、セカンドグレードの『クラッシック』で5m 11万1000円、3rdグレードの『スペシャルMKII』で5m 3万8000円、エントリーグレードの『スタンダード』で5m 1万3000円だ。
他社からリリースされているケーブルをみても、5mで数万円、というクラスが主流になっている印象がある。
カーオーディオには良いケーブルが必要だ。“MONSTER CABLE”も「ケーブルとは、コンポーネントをつなぐためのただの電線ではなく、ケーブルそのものが正確な情報を伝達する『独立したコンポーネント』である」を理念としているし、それを日本でプロモーションしてきた“イース・コーポレーション”も、その理念を市場に浸透させるべく東奔西走してきた。
なので、“イース・コーポレション”としてもハイエンドケーブルを否定するつもりはさらさらない。しかし、“MONSTER CAR AUDIO”においては、
『より多くのユーザーに"MONSTERクオリティ"を実感してもらえるよう、エントリー、そしてミドルクラスのケーブルの質を上げていく』
まずはここに主眼を置いている、ということなのである。
例えば、5万円の4chアンプを使おうとする時、ケーブルにどのくらいの予算をかけられるだろうか。おそらく、アンプ代よりも高い金額をケーブルにつぎ込む人はいないだろう。良いケーブルがいいに決まっているが、現実的には予算は限られる。
限られた予算の中で、最高のものを手に入れられるように。“MONSTER CAR AUDIO”は、ここを目指しているのだ。
今回登場した新製品をみてみよう。
RCAケーブルの「MCA 450i」シリーズでは5mのものが1万9000円(2ch分)、「MCA 350i」シリーズでは、5m 1万1000円(2ch分)。これらが現状、“MONSTER CABLE”における、“ハイクラス”、“ミドルクラス”である。そして既に発売されていた“エントリークラス”の「MCA 100i」に関しては、5mで3200円というお手軽さだ。
さて、手頃な価格の中で良いものを作るために、“MONSTER CAR AUDIO”はどのようなアプローチを取ろうとしているのだろうか。まずは、“Monster,Inc.”が保持している数々の特許技術を適材適所で最大限投入していくことが1つ。
そして、そこに“イース・コーポレーション”の経験とノウハウとアイデアも注入していく。
同社は社内にインストール技術訓練校、ETTA(イース・テクニカル・トレーニング・アカデミー)を持っているわけで、インストールのことを熟知している。それに加えて、全国のプロショップからも意見を集約する。イベントなどを通して、ユーザーからも思いを汲み上げる。さらには、同社が世界に張り巡らせているネットワークからも要望を聞き入れていく。それを製品開発に反映させていく、というのだ。
素材の優秀さに頼り過ぎると、製品は高価になりがちだ。そうではなく、『技術(構造)』と『アイデア』でクオリティを上げていこう、というわけなのだ。
さらに今後は、ヒューズホルダーやディストリビューションブロック等々のショートパーツも続々と登場させていくとのこと。それらについても、使いやすさを磨き、コストパフォーマンスを追求していくとのことだ。期待して待とう。
さて、次週からはいよいよ、この度新登場したニューモデル、RCAケーブル『MCA 450i』、『MCA 350i』各シリーズと、スピーカーケーブ『MCA 350S』、『MCA 250S』各シリーズのインプレッション・レポートに突入する。お楽しみに。
《text:太田祥三》