作りにも音にも抜かりのない、優秀カスタム・オーディオマシンをご紹介している当コーナー。先週と今週は、滋賀県の有名店・ウイニングが製作したエスティマをスペシャル・フィーチャーしている。今回はフロントのカスタムをお見せしながら、オーディオシステムの全貌を解説していこうと思う。ごゆるりとご堪能あれ♪
変則フロント3ウェイシステムが奏でる
魅惑のゴージャス・サウンド!!
(サムネールはクリックで拡大します)
フルカスタムされているにも関わらず、すっきりした仕上がりをゲットしているインテリア。“日本的なラグジュアリー”を目指した結果だ。“豪華さ”と“洗練”のバランスが絶妙で、抑制も効いている。
早速、オーディオシステムの詳細をご紹介していこう。
まずはレイアウトから。ヘッドユニット & プロセッサーは、アルパインのF♯1ステイタス。搭載するパワーアンプは計3台。1台がコントロールユニットと同じくF♯1ステイタスで、それに加えてもう2台、アルパインの4chモデルを使用している。フロントスピーカーもアルパインだ。ハイグレードモデル、DLX-Z17PROをチョイスし、しかもミッドウーファーはトリプル使い。外向きスピーカー & リアスピーカーもアルパインで統一している。サブウーファーには、音質コンペティター御用達のヴェロダインを採用。
で、このシステムで目指したサウンドとは…。
ズバリ、“パワー”と“ピュア”を両立させたいいとこ取りのゴージャスサウンド、である。10年来ブレることのなかったカスタムコンセプト、“日本的な落ち着きあるラグジュアリースタイル”に通じていると言っていいだろう。豪華に、そして力強く、しかし洗練されたイメージも大切に、ということなのだ。
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内装は、フロントからラゲッジまですべて、オレンジ+ベージュのツートンでまとめ上げられていて、それはドアでも同様だ。3発のミッドウーファーのうち、1番前に取り付けられている1発は、スコーカーとして使われている。相当に角度を付けてインストールされていることがわかるだろうか。
良い音を得るために行われていることを解説していこう。まずはユニットチョイスにポイントがある。最高グレードの製品を核とすることで基礎を固めている。そして注目したいのはミッドウーファーの鳴らし方。そこにはとある秘密が隠されていた…。
ミッドウーファー3発のうち1番前側に取り付けてある1発は実は、スコーカーとして使われているのである。つまりこのエスティマのシステムは、フロント3ウェイ+サブウーファーだったのだ。
重厚さと緻密さを両取りするための工夫と言っていい。パワフルに鳴らしつつも、帯域を分けることで負担を減らし、繊細さも引き出そうとしているわけだ。しかも、スコーカーとして使われているミッドウーファーは、相当に角度が付けられている。より指向性の強い帯域を担当させるので、それをできるだけストレートにリスナーに届けようという作戦だ。
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ダッシュでは、ペイントフィニッシュが多投されている。グローブボックス内とセンターコンソールのiPod & iPadのインストールも実にすっきりとした仕上がり。最前のiPadは、“ソース”兼“操作”ユニット。
ところで、このエスティマ。オーディオの見どころはそれらに留まらない。デジタルデバイスの大量投入も特長だ。iPad3基+iPod2基をシステムに組み込んである。ソースユニットとして使っているのは各1枚ずつでそれ以外はサブ機なのだが、これだけの数が並ぶその様はまさに圧巻。インパクト抜群だ。
ちなみにメインのiPadは、ソースユニット兼、システム操作ユニットでもある。iPadとF♯1のヘッドが赤外線コントローラーで連携していて、iPadのアプリでF♯1を操れるという仕掛けだ。
さて、いかがだっただろうか。パワーサウンドとピュアサウンドの両立に加え、デジタル・デバイスの大量導入までも成し遂げた、“全部載せ”オーディオマシンであるこのエスティマ。見どころ聴きどころがまさに満載♪ イベント会場で見かけたら、詳細をチェックすべし!
《text:太田祥三》