カーオーディオをステップアップさせようと思った時、“低音強化”はとても有効な作戦の1つだ。そしてそれをお手軽に行おうとするなら、“コンプリートウーファーBOX”がおすすめ。
というわけで当週刊特集では、“コンプリートウーファーBOX”にスポットを当て、どのようなタイプがあるのか、それぞれにはどのような特長があるのかをじっくりと解説していく。これから“低音強化”に取り組もうと思っている初心者 & 中級者の皆さま、要チェック!
最初に、“低音強化”の意味を解説しておきたい。
まずは、低音を強化することでもたらされるメリットから考えてみよう。1つ目のメリットは、音楽全体がより生き生きと聴こえること。しっかりとした低音に倍音が乗って、全帯域で音が分厚く、音色が豊かになる。さら2つ目のメリットは、ノリが良くなること。低音はリズムの要。低音の再現性が高まると、リズムが躍動するのである。
ミューディメンション・Black Box X8
ミューディメンション・GLOW10100SW
以上が、低音がしっかり聴こえることのメリットなのだが、クルマの中には、低音をスポイルしてしまう要因が存在する。
1つ目の要因は、ドアのミッドウーファーの口径にある。純正スピーカーを含め、そもそも16~17cm程度のミッドウーファーでは、CDや音楽メディアに入っている低音信号を再生することに限界があるのだ。
2つ目は、走行することで発生するロードノイズやエンジン音。これがちょうど低音に覆い被さり、“マスキング”という現象を引き起こす。低音を聴こえにくくするのである。
というわけでクルマの中は、“低音は大切、しかし、低音が聴こえにくい”という状態になりがちなのである。
でも心配ご無用。ぼくらには“サブウーファー”がある。“サブウーファー”を導入すれば、音楽の躍動感やライブ感を存分に味わえるようになるのだ。
ロックフォード フォズゲート・JPS-100-8
ヴァイブオーディオ・BLACKAIR V12-ACTIVE
ところでサブーウーファーにはいくつかのタイプがある。大きく2つにわけると、今回この企画でご紹介しようとしている“コンプリートウーファーBOX”タイプと、“ユニット+ワンオフBOX”タイプの2つ。要は、買ってきてクルマに載せて配線すれば即使えるタイプと、ウーファーBOXをワンオフ製作しなくてはいけないタイプ、この2つだ。
ウーファーBOXをワンオフすることにはメリットがある。1つは、狙った音を出せること。BOXの設計を工夫することで音をコントロールすることが可能になるのだ。2つ目は、搭載スペースにぴったりの大きさで作れること。これも見逃せないメリットだ。
逆にデメリットは、製作が大変なこと(コストがかかること)。
その点“コンプリートウーファーBOX”タイプは、手軽に導入できる。この部分がまさに、“コンプリートウーファーBOX”の最たるメリットである。
さて、その“コンプリートウーファーBOX”にも、タイプがいくつかある。
- 薄型パワードタイプ
- 本格パワードタイプ
- アンプレスタイプ
以上の3タイプだ。
ロックフォード フォズゲート・P1-1x10
ロックフォード フォズゲート・P3S-1x10
順に説明していこう。まずは1.の“薄型パワードタイプ”から。これは、ユニットとパワーアンプとボックスが一体となっているタイプだ。これを買って、配線すればすぐに音が出せる。さらに小型・薄型なので、シート下に収められるなど、インストールがしやすいのも大きなメリットだ。
2.の“本格パワードタイプ”は、より本格的なタイプ。しっかりした箱にユニットが収めてあることが特長。しかもパワーアンプもあらかじめ装着されている。ユニット、アンプ、箱がコンプリートされている点では“薄型パワードタイプ”と同様。しかし箱が大きいので、空気をしっかりと震わせて低音を発することができる。ただ、“薄型パワードタイプ”より大きい分、インストールするのにある程度のスペースを取ってしまうのはデメリットだ。しかし、“本格的な低音”を得られるのは大きな魅力だ。
3.の“アンプレスタイプ”は、ボックスとユニットは一体化して製品化されているものの、パワーアンプは別体(別売)となるタイプ。02の“本格パワードタイプ”に対して、好きなパワーアンプを自由に選べるのが大きなメリット。音質、パワー、大きさ、価格、を自由に選べるのだ。自分だけのスペシャルなサブウーファー、という感覚に浸れる。
さて、来週からはそれぞれの特長、性能、メリットを、インプレッションしながら徹底検証していく。お楽しみに♪
《text:太田祥三》