巷で話題騒然の“スーパーハイエンド”ブランド。それらの魅力を探るべく、全国の有力ショップに取材している当コーナー。
連載4回目となる今週は、千葉の実力店、サウンドワークスの中川さんにお話を伺った。中川さんの、“スーパーハイエンド”評やいかに…。じっくりとお読みいただきたい。
サウンドワークスでは、標記の3ブランドを集めた試聴イベントを実施した実績がある。ユーザーに聴いてもらうのはもちろん、自身でもじっくりとそれぞれのサウンドを堪能したという中川さん。
1つ1つについて詳しくお訊きしていこうと思うのだが、それに先立ちまずは、“スーパーハイエンド”というカテゴリー全体についてお訊きした。
「“スーパーカー”って、手に入れられる人は一握りですがみんなが憧れる存在ですよね。所有するかどうかはさておいて、考えるだけで楽しくなる。あるということだけで、クルマ好きの心を熱くしてくれる、そんな存在ですよね。
“スーパーハイエンド”ユニットも、“スーパーカー”と同じだと思います。世の中にあるというだけで、カーオーディオ好きの心を熱くしてくれます。カーオーディオという文化に深みを与え、夢を与えてくれると思うんです。
もちろん、この音でなければだめだと考えて、実際に所有される方もいると思います。そういう方を本当にうらやましく思いますね(笑)。価格に見合った、もの凄い実力を持っていますから」
存在自体に意味があり、夢がある。それが“スーパーハイエンド”、というわけだ。
さて、それではそれぞれの音について、中川さんの印象を訊いていきたいと思う。まずは、『RS Audio』から。
「情報量が豊かですよね。そして、余計な音は一切出さない。とても現代的な音だと思いました。無駄のないスムーズなサウンドです。ハイスピードにして柔らかい。
低域の再生能力も高いですよね。質感がよく、レンジも広い。重心がぐっと沈み込んで、安定感あるサウンドを聴かせてくれます。全体の傾向としては、クールでドライ。それでいて深みがありますね」
続いては『ZR Speaker Lab』について。
「音楽性の表現が凄いですね。正確に音を出すということに留まらず、プラスαの旨味を聴かせてくれます。ツヤ、厚み、質感…。芸術の領域ですね。とにかく心地良いサウンドです。
この音がツボにはまってしまったら、もうこれ以外の音は聴く気にはならないでしょうね(笑)。素晴らしいと思います」
そしてもう1つ。パワーアンプメーカーである『AUDIO WAVE』についてはどうだろう。
「これはさらに別次元の“スーパーハイエンド”ですよね。1ch分で100万円オーバーですから、もう手の出しようがない(笑)。正真正銘の“スーパーカー”です。
音もまさに別次元です。透明度の高さがレベルを超えていますね。そして、浸透度がとてつもなく高いんです。体の中にどんどん染み込んできます。歪みのなさも究極的です。純粋に、完全に、音だけを再生してくれます。とんでもない製品だと思いましたね」
最後にまとめていただいた。
「“スーパーハイエンド”ブランドの音は、他ではどうやっても出せません。他に換わるものがない。この音を手にすることができる人は、本当に幸せだと思います。
聴ける機会があったら、それを逃すべきではないですね。“スーパーカー”に乗れるチャンスがあるのなら、絶対に乗ってみたいと思いますよね。多くの方に、1度は聴いていただきたいですね。体験するだけでも価値があると思います」
《text:太田祥三》