全国の有名プロショップに取材しながら、カロッツェリアXのニューパワーアンプ、RS-A09Xの実力を浮き彫りにしている当シリーズ。今週は、愛知県の実力店・ルロワの小山さんにご登場いただいた。小山さんが考えるRS-A09Xの魅力とは…。
まずは、RS-A09Xのベースになっているパワーアンプ、RS-A99Xについての見解からお聞きした。
「良くできたアンプだと思っています。コストパフォーマンスが素晴らしい。色づけがなく、どんなスピーカーとあわせてもスピーカーの性能を十分に引き出してくれます。A09Xが登場した今となっても、その価値は衰えていないと思いますね。あの性能で、4chモデルでありながら21万円。1chあたり5万円ちょっとです。A09Xでは1chあたり15万円。A09Xが登場したことによって、A99Xのコストパフォーマンスの高さが、より際立つことになりましたよね」
さて、RS-A09Xについてはどのような評価なのだろうか。
「価格の上昇率は高いですが、それに見合う性能の向上がなされていると思います。音が正確で、解像度が高く、情報量も多く、そしてS/Nが良い。何より、音の“立ち”が良くなったと感じています。スピード感が早く、そして制動が効いている。これにより、出るところは出て、伸びるところは良く伸び、そしてしっかり止まる。くっきり、はっきりした音です。ぶれたり、曖昧な部分がなく、音の鮮度が高まっていますよね」
そもそもRS-A99Xを高評価していた小山さん。A09Xの性能についても高評価だ。では、使い勝手についてはどのような感想をお持ちなのだろうか。
「より慎重に取り扱うべき製品だと思っています。とりあえず載せ替えただけで、単純に良くなる部分が多いんですが、細部を突き詰めていかないと本当の実力は引き出せないですね。よりシビアに向き合う必要があるパワーアンプだと感じています」
最後に、システムへどう組み込むべきかお聞きした。
「コンペに勝とうと考えるなら、すべてのスピーカーをRS-A09Xで鳴らすべきだと思います。A99Xと組み合わせて使っても、どうしても揃えられないところが出てきてしまうんです。音の方向性は同じでも、歴然と違っている部分がありますから、それを完全に揃えることは物理的に困難です。コンペでは、その部分が指摘されるポイントになってしまうでしょうね。すべてをA09Xで鳴らすことがベストであることは明らかですから、それを目指すしかないですよね。
ただ、コンペ車両でないのなら、取り敢えずミッドウーファー用に使ってみる、とか、サブウーファー用に使ってみるとか、自由に楽しんでいってほしいと思うんです。すべてのスピーカーをA09Xで鳴らせるならばそれが1番ですが、A09Xを4台導入するとなったら、予算的にもインストールスペース的にも、ハードルはかなりの高さになります。必ずしもそこを目指さなくてもいいと思うんですよ。『今より少しでも音を良くしたい』、これがカーオーディオの原点ですよね。どのようなハイエンドシステムにも歴史があります。何かを換えて、変化を楽しみながらコツコツとシステムアップしていけばいいと思うんです。カロッツェリアX以外のアンプを使っているシステムに入れてもいい。今のシステムで不満に思っている部分が、1台A09Xを投入することで改善されるかもしれません。楽しんだもの勝ちですよね。型にはめてしまう必要はないと思うんです」
“自由な発想で高性能なRS-A09Xの音を楽しむべき”これが小山さんの話のポイントだ。まずはA09Xを1台、今のシステムに投入してみることから始めてみてはいかがだろう。1ランク上のサウンドが楽しめるようになることは、間違いなさそうだ。
《text:太田祥三》