人気沸騰の『DIATONE SOUND.NAVI』NR-MZ80シリーズ。
その実力について、全国の有名プロショップにお聞きしてきた当コーナーもいよいよ最終回だ。大トリはウイニングの中江さん。ベテランインストーラーならではの、濃いお話しを聞くことができた。じっくりとお読みいただきたい。
例によって、まずは前作、NR-MZ60シリーズについてお聞きした。
「画期的な製品だったことは間違いないですね。登場タイミングも良かった。
『DIATONE SOUND.NAVI』が出る頃、カーオーディオ愛好家の中で、“ナビは使わずにカーオーディオを組む”という時代は終わっていました。“ナビは必ず使う。その前提でどうカーオーディオを組むか”ということに焦点が絞られていたんです。ナビにプロセッサーを足してシステム構成するか、もしくは、どうにかしてナビと1DINヘッドユニットを共存させるか、この2択で悩む時代だったんですね。そこに『DIATONE SOUND.NAVI』が登場した。新しい選択肢として光り輝いていましたね。ナビとハイエンドオーディオが一体化したユニットを使う、という選択肢が加わったわけです。
NR-MZ60シリーズは、音質だけをみて、十分にハイエンドユニットのレベルにありましたから。3ウェイマルチアンプシステムを組みたい方は他のユニットに流れますが、それに固執しなければ、NR-MZ60PREMIは十二分に購入候補としてアリでした。
NR-MZ60シリーズは、新規ユーザーを相当に獲得してくれましたが、マニアにもおすすめできるユニットだったんですね」
今度は、NR-MZ80シリーズについてお聞きした。
「音質性能は、明らかにさらに向上しました。S/Nの向上がとにかく著しいですよね。
ちなみに、DSPが改善されましたが、これはお客様にデモをするときにも便利なんですよ。新しいDSPでは、調整中はIIR方式で作動し、調整を確定させた後はFIR方式に直される。言い換えると、調整中の音はNR-MZ60の音、調整後はNR-MZ80の音、なんですね。NR-MZ80が1台あれば、簡単に新旧比較ができるんです。お客様も良さを理解しやすい。プロショップに行ったら、調整中の音と、調整後の音は、ぜひ聴き比べてみてほしいですね。それを聴いてみるだけでも面白いと思いますよ。
あと、ライトユーザーにとっても使いやすいモデルに仕上がっていますよね。注目の機能が搭載されています。まずは『ダイアトーンボリューム』。これは、ソースによる音量の違いや、楽曲ごとの音量の違いを一定に保ってくれる機能です。特に、iPodなどをつなげてシャッフルで音楽を聴くようなとき、聴きやすくなりますね。曲によって自分で音量調整をする手間が省かれるんですから。
『PremiDIA VBL』も注目の機能です。こちらは大音量での再生中に、超低域信号が入力された場合その低域信号をカットしてくれる機能です。能力の低いスピーカーでは、超低域の信号が入ると音が濁ってしまいがちなんですね。純正スピーカーで聴いている場合は特に、この機能はとても有効だと思います」
ついつい、ハイエンド機としての能力についてばかりに目が行ってしまうが、カジュアルな部分にも目を向けて解説してくれた中江さん。さすがである。
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最後にNR-MZ80シリーズを総括していただいた。
「『DIATONE SOUND.NAVI』は新規ユーザーの獲得に貢献してくれているわけですが、その大きな理由は、“分かりやすさ”にあると思っています。ハイエンドヘッドユニットがなぜハイエンド足るのかを説明しようとすると、ちょっと難しい話もしないといけない。しかし『DIATONE SOUND.NAVI』は“音がいい”ことだけを言えば分かってもらえるんですね。なので、例えば、カロッツェリアXを使っている方のお友達とか、奥さまとか彼女、そういったカーオーディオ愛好家の周辺にいる方々がすんなりと受け入れてくれますね。
ところで当店のNR-MZ80シリーズのデモカーは、スピーカーが純正のままなんです。これまでカーオーディオになじみのなかったお客様には、まずはここから体験してみてほしいと思っています。『DIATONE SOUND.NAVI』を使うだけでここまで音が良くなりますから、まだ聴いたことのない方は、ぜひ1度、ご来店いただきたいですね。
『DIATONE SOUND.NAVI』は初心者からヘヴィユーザーまで、どなたにとっても魅力的なモデルです。チェックして損はないですよ（笑）」
《text：太田祥三》