実力ショップの声から、ビーウィズ・STATE MM-1Dの実力を探ろうとしてきた当コーナーも、今回でいよいよ最終回。じっくりとお読みいただきたい!
まずは、福井県の気鋭ショップ「ラ・ルース」の米田さんにお聞きしたお話をご紹介してみたい。MM-1Dのファーストインプレッションからお聞きした。
「昨年秋の、BSC(ビーウィズ・サウンドカップ)で、メーカーデモカーを聴いたのが最初です。フロントスピーカーにBE FITが採用されているクルマでした。解像度が高く、S/Nが優れていると思いました。MM-1Dがその良さを引き出しているのは明らかでしたね。
お店のデモボードで聴いても同じことを思いました。デモボードでは、PHDのアンプとダイヤトーンのDS-SA3で聴きました。やはりS/Nの高さはさすがだと思いました。MM-1に比べて音楽の押し出し感も増しています」
ところで、米田さんはそもそもMM-1に対して、どのような評価をお持ちだったのだろうか。
「ハイエンド・ヘッドユニットとして優秀な製品であることは間違いないですが、私はむしろ、普段使いのヘッドユニットとして優れていると思っています。WAVの音が良いのは当然ですが、MP3に圧縮した音源でも、ガクンと音質が落ちることがない。ここが素晴らしいと思っています。CFカードに圧縮したたくさんの音楽ファイルを、普通に良い音で聴ける。ここにMM-1の真骨頂があると思っています」
そんなMM-1から進化を果たしたMM-1D。
「MM-1ユーザーのみなさんが口をそろえてこうおっしゃいます。『MM-1Dの音を1度聴いてしまったら、もうMM-1には戻れない』と(笑)。まだMM-1Dの音を聴いたことがないMM-1ユーザーの方は、お早めにその進化の度合いを体感してほしいと思っています」
さて、今回の特集のトリとしてご登場いただくのは、香川県の人気ショップ「サウンドステージ」の藤川さん。藤川さんは、早くからMM-1の実力を評価していた1人だ。
「発表された当時は、CDから音楽データをリッピングする、ということに抵抗を感じる方も多かったように思います。でも私は、リッピングしてCFカードで持ち運びするということが、とても理にかなっていると思っていました。純正オーディオシステムに割り込ませるという発想にも共感していましたし、コンセプトをすんなりと受け入れられました。
音の良さも認めています。ホーム用の真空管アンプにつないで、リファレンスとして使っています。MM-1の良いところは、圧縮音源でも音質が良いことです。かつてのCDチェンジャーのような使い勝手です。もちろん、CDチェンジャーよりも数段、高性能ですが(笑)」
さて、MM-1Dについての評価はどうなのだろうか。
「お客さんのクルマで聴いたのが最初です。プロセッサーにビーウィズステイトを2台使って、フロントスピーカーはアキュレートIIです。ビーウィズのシステムとしてはハイエンドではないですが、音源データをそのまま再現してくれていることに驚きました。情報量が豊かで、1つ1つの音が正確で、それぞれを正確な場所に置いてくれます。奥行き、広がりの再現も申し分ないですね」
藤川さんは最後に、こうまとめてくれた。
「iPodをはじめ、デジタルオーディオプレーヤーがここまで普及している時代です。MM-1を敬遠していた方にも、ぜひ1度MM-1Dの音を聴いていただきたいですね。合理的な製品で使い勝手も良いですし、多くの方におすすめしたい製品ですね」
これまでの取材を通じ、ビーウィズ・STATE MM-1Dの良さを、多角的に検証することができた。高価な製品であることは事実だが、それに見合う、いやむしろ、価格以上の価値がある製品であると言えそうだ。そのバリューの中身を、ぜひお近くの専門店で、ご確認あれ!
《text:太田祥三》