注目の新スピーカー、ダイヤトーン・DS-G20の実力のほどを探るべく、インストーラーへのインタビューを敢行し、ご紹介している当コーナー。
連載2回目の今回は、滋賀の実力店、ウイニングの中江さんにお話を伺った。中江さんの耳には、DS-G20の音はどう響いたのか…。
中江さんが最初にDS-G20の音を聴いたのは、メーカーの営業の方が持参したエンクロージャー入りの視聴用セットだったという。ちなみに中江さんは、G20の上位機種、DS-G50についても高評価を与えている1人。そのG50との違いのほどは…。
「ほとんど変わらない、というのが第一印象でした。まず、ツイーターからツンツンするような音が聴こえてこないところに好感が持てました。エントリーグレードのスピーカーは、高域が刺激的な音になりがちなんです。純正スピーカーから交換したときの『換えた感』を出そうとしているのかもしれません。高域が目立つと、音が明瞭になったように感じられますから。でも、そういう鳴り方だと、全体のバランスを整えるのが難しくなるんです。その点G20は、自然に高域を鳴らしてくれます。バランスの整った、Hi-Fi方向の音を聴かせてくれます。
さらに、低域にブーストをかけても歪まず、タイトに鳴ってくれるところがいいですね。これは、ミッドベースの出来がいい証拠だと思います。やや軽めですが音色はG50とほぼ一緒だと感じました」
G50と比べて値段は約2/5であるのに、G50に迫る性能を持っている、というのが中江さんの見解だ。
「どこに違いがあるのかを把握するためにスペックを確認してみたんですが、ツイーターもミッドも、G50と比べて3dBくらい能率が高いんですね。これは違いとして興味深いです。アンプの出力が半分くらいでも同じような音量で鳴らせるわけです。内蔵アンプで鳴らすのにもってこいのスピーカーだと言えると思います。もちろん、外部アンプでパワーをかけたほうが豊かに鳴りますが、内蔵アンプでもしっかり楽しめるスピーカーに仕上げられているんですね」
さて、実車に装着してのインプレッションもお聞きした。
「まだ外部アンプと組み合わせたクルマはないんですが、純正ナビと組み合わせたときでも、しっかりとしたサウンドが聴けました。
クルマを選ばない、というところにも感心しましたね。多くの車種にインナーバッフルで装着可能ですから、取り付けの面でもクルマを選びませんが、ぼくが言いたいのはむしろ出音の話です。軽カーでもセダンでも、ミニバンでも、ディップやピークが出にくいんです。ドアの内部形状の影響を受けにくい。さらにデッドニングに関しても、ライトに施すだけでスピーカーの性能をある程度引き出せます。もちろん、手をかけた分だけ良さが出ますが、取り付け工賃に多くの予算を使わなくてもそこそこ鳴ってくれるわけで、ユーザーにとってメリットがありますね」
中江さんは最後に、次のように締めてくれた。
「6万3000円のスピーカーに換えただけで本格派の音を手にできるのですから、このスピーカーはお得だと思います。感動が大きい。感動が大きいと、カーオーディオに対する関心も高まるでしょうね。カーオーディオ好きを増やしてくれるスピーカーなんじゃないでしょうか」
初心者に優しく、そして、初心者をその気にさせるスピーカー。DS-G20は、そんなスピーカーなのかもしれない。
《text:太田祥三》