ファン垂涎のスピーカー、ビーウィズ・コンフィデンスII & コンフィデンスII サンライズの魅力を、深く掘り下げようとする当企画。今回は、静岡の気鋭、スーパーオートバックス浜松の大塚サンに、いろいろとお話をうかがった。
ところでビーウィズというと、ハイエンド製品の傑出した性能にスポットがあたりがちだが、大塚サンはむしろ、かつてのリファレンスや現在のアキュレートIIというエントリー・スピーカーを高く評価。その心は、「ミドルグレードであるのに、ハイエンドの世界を味わえるスピーカーだから」。
グレードこそ異なれど、「偏心コーン」や「800Hzから鳴らせるツイーター」といったコンセプトは同一。エントリーグレードのスピーカーでも、これらのコンセプトのメリットが活きているとのこと。つまり、「幅広いユーザーを満足させてくれるメーカー」として、ビーウィズを捉えているのだ。
さらには、MM-1やプロセッサーであるAZ-1、AZ-2、ビーウィズステートに対しても評価が高い。これらを使うことで得られる、音の鮮度の高さ、クリアさにも心酔している様子だ。
さて、このように広くビーウィズ製品に対して好印象を持っている大塚サン。コンフィデンスII & コンフィデンスII サンライズに対してはどのような印象なのか…。
大塚サンがサンライズの音を最初に聴いたのは、店頭に届いたユニットをデモカーに装着したとき。ビアンコフジが取り付けてあったコンディションのまま、交換して試聴してみたという。サンライズ用にセッティングを変えることなく、いわば「まっさら」な状態でテストをしたわけだ。
この段階ですでに大きな衝撃を受けたという。特に驚かされたのはツイーターの性能。エージング前でもあり、そして調整前でもあったので、高域がやや出過ぎていたものの、その情報量の多さ、空気感のリアルさには舌を巻いたという。自然に伸びる高域。倍音の鳴り方が素晴らしく、感性に働きかけるようなサウンドを奏でてくれた。とにかく気持ち良かった、とのことだ。
さて、今回ご紹介する実装例は、同店のお得意様のフェアレディZ33。このクルマのシステムは、MM-1、AZ-1、A-110S BS01、そしてスピーカーがサンライズでフロント2ウェイ+サブウーファー×1発、というハイエンドシステム。最初にデモカーに取り付けて試聴した直後にインストールを行ったクルマだ。そして以後、デモカーでさまざまなテストが行われ、このクルマにも同時進行でそのノウハウが投影されてきたという。大塚サンのサンライズに対する研究の進化過程とともに、サウンドを進化させてきたクルマである。
その中で、大塚サンのサンライズへの評価も確信に変わってきた。ツイーターの性能の良さは当初につかんだとおりだが、サブウーファーまでサンライズにしたこのクルマでは、反応の速さも実感。「高性能なサブウーファーほど、その存在感が消える」、というのは大塚サンの持論だが、サンライズのサブウーファーではまさにそのとおり。サブウーファーが鳴っている感じがまったくせずに、フロントの奥のほうから重低音が聴こえてくるという。
このクルマで感じられたことを踏まえ、大塚サンのサンライズ評をひと言でまとめていただいた。答えは、「最強、最速」。「最強」とは「力強い」「情報量が多い」「リアリティが高い」。「最速」とは「各ユニットの反応が早いので、音が遅れることなく、まとまり(つながり)がいい」ということであるという。
ちなみに、大塚サンのお店では、店内にサンライズを装着したデモカー・マークIIブリットが展示してあるとのこと。お近くの方は、必聴である♪
《text:太田祥三》